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人気作家の新作展示・販売

ECHOES OF ART〜オマージュ北斎2

『ECHOES OF ART』は、時を超えたアートの美しさを新たな視点と現代の技法で蘇らせる特別企画です。今回の「オマージュ北斎2」では、日本画、洋画、イラスト、マンガといった多才な表現者たちが、時代を超えて愛される葛飾北斎の息吹を独自の解釈で現代に蘇らせます。

【会期】
5月1日~5月6日:先行抽選販売
5月7日〜7月31日:先着販売

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ART COLUMN

アートコラム

「見たことのない絵肌」を求めて――そらみずほインタビュー
そらみずほ インタビュー オマージュ北斎2

「見たことのない絵肌」を求めて――そらみずほインタビュー

漫画やアニメに親しんだ幼少期から、美学美術史の学び、そして切り絵との再会へ――。そらみずほは、アクリル絵画に切り絵や和紙コラージュを重ねる独自の技法によって、「見たことのない絵肌」を追求してきた作家である。本インタビューでは、創作の原点から北斎との対話、素材探究、制作環境、そして未来への展望に至るまで、その思考と実践を丁寧にひもとく。 人物画への憧れと複合技法の誕生 ――幼少期から現在に至るまで、創作の原点となっている体験について教えてください。 そら 幼少期から漫画やアニメーションに親しんで育ち、自身でも趣味でイラストや漫画を描くことが好きでした。学校の美術の時間も大好きで、ごく自然な流れで油彩やアクリル、水彩などの画材に触れていきました。当時から一貫して、描く対象としても観る対象としても「人物画」に強く惹かれていました。 ――大学での学びは現在の表現にどのような影響を与えましたか。 そら 大学では美学美術史を専攻しました。そこで浮世絵やアール・ヌーヴォー、シュルレアリスムといった多様な表現を学んだことが、現在の「自分はどのような絵を描きたいか」という感性を形作る大きな土台となっています。 ――現在の技法に至るまでの変遷について教えてください。 そら 在学中、近現代の日本人作家の作品に初めて触れ、とりわけ宮田雅之氏や福井利佐氏の切り絵作品に深い感銘を受けました。それをきっかけに、小学6年生の授業で体験した切り絵の記憶が蘇り、油彩やイラストと並行して制作を始めました。当初は技法ごとに分けていましたが、次第にアクリル絵画に切り絵や和紙コラージュを重ねる現在のスタイルへと発展しました。「今まで見たことがない」と感じていただける独自の絵肌で、視覚的な驚きを生み出したいと考えています。 北斎の波と鳳凰に重ねる現代的解釈 ――今回の作品における北斎との関係について教えてください。 そら 今回は北斎の代表作『神奈川沖浪裏』と、私の代表作『残り香』を融合させました。北斎の波が持つ計算された曲線美やダイナミックな構図は非常に魅力的で、『残り香』の帽子の曲線と響き合うと感じました。そこで帽子のデザインに波を想起させる意匠を取り入れ、色彩も北斎を象徴する深い藍色を基調としています。 北斎 神奈川沖浪裏 ――岩松院の《八方睨み鳳凰図》から影響を受けたそうですね。 そら 長野県小布施の岩松院にある大天井絵は、約21畳に及ぶ圧倒的なスケールと迫力を持っています。89歳でこれほどの作品を手がけた北斎の姿に、年齢を重ねてもなお高みを目指したいという希望を感じました。そのオマージュとして、女性の衣服の意匠に鳳凰の要素を取り入れています。 ――実際に現地を訪れて得たものは何でしょうか。 そら 小布施町を訪れ、『北斎の波』と『八方睨み鳳凰図』の実物に触れました。浮世絵の構図の美しさに加え、肉筆画の力強さや色褪せない生命力に強く心を動かされました。若手という枠から離れつつある今、北斎の晩年の姿に触れたことで、年齢を重ねるほど表現は深まるのだという確信と、これからの制作への希望を得ることができました。 葛飾北斎の最晩年の傑作「八方睨み鳳凰図」の天井絵 独学と保存意識が支えるマチエールの探究 ――独自の技法はどのように確立されてきたのでしょうか。 そら 私は大学などで実技としての美術教育を受けていないため、既成の型に縛られず「誰も見たことがない絵肌」を求める探求心から現在の手法に至りました。一方で、作品を長く残すための保存の観点では、支持体の作り方や素材の扱いについて、作家仲間や技術書、動画などを通して後天的に学びながら制作しています。 ――今後挑戦したい素材や技法について教えてください。 そら 現在の手法もまだ完成形だとは考えていません。今後も新しい素材に積極的に触れていきたいと思っており、特にこれまで難易度の高さから避けてきた岩絵具に挑戦したいと考えています。北斎の肉筆画を実際に見たことで、その思いはより強くなりました。 ――最終的に目指している表現とはどのようなものでしょうか。そら さまざまな画材を経験し、それぞれの特性を理解したうえで、「これが自分にとって最も自然である」と心から納得できる手法を確立していきたいです。 長野での制作と「描かない時間」のルール ――現在の制作環境について教えてください。 そら 2019年に神奈川県から故郷の長野県へ拠点を移し、現在は愛猫とともに制作しています。生活コストが抑えられることで、時間的にも精神的にも余裕を持てる点が大きな利点です。また自然に囲まれた環境により、以前は描かなかった風景画にも取り組むようになりました。 ――制作におけるルールや習慣はありますか。 そら 日々のルーティンは特にありませんが、ふたつのルールを設けています。ひとつは「夜に顔を描かないこと」です。疲れによって判断力が鈍るため、最も繊細な顔の表現は避けています。もうひとつは「作品を寝かせること」で、一定期間離れることで客観的な視点を取り戻し、修正点を明確にしています。 ――地方で制作することの課題についてはどう感じていますか。そら 情報や刺激が少ない点はデメリットです。そのため今年は意識的に各地へ足を運び、生の作品や新たな刺激を積極的に取り入れていきたいと考えています。本企画がその一歩を後押ししてくれたことに感謝しています。 無常観から広がる次なる主題と作品の行方 ――今後の制作テーマについて教えてください。 そら これまで主題としてきた美人画に加え、新たな表現にも挑戦したいと考えています。2028年の個展に向けて、西洋の「ヴァニタス」と日本の「誰が袖図」を組み合わせた静物画と、それに関連する人物画を構想しています。 ――ご自身の美意識の核にあるものは何でしょうか。 そら 10代の頃から「すべてのものは移ろいゆく」という無常観に強く惹かれてきました。かつては憧れに過ぎなかったテーマも、今の自分であればより現実味と説得力をもって表現できると感じています。 ――最後に、鑑賞者へメッセージをお願いします。 そら 作品をご覧いただくこと、そして手に取っていただくことは奇跡的なご縁だと感じています。絵画はアトリエで完成するものではなく、手にしてくださった方の日常の中で新たな物語を紡いでいくものだと思っています。そうした存在として作品が寄り添っていくことを、心から願っています。   「オマージュ北斎2」のそらみずほ作品はこちら  ↓画像をクリック↓ そらみずほ 残り香 - HOKUSAI - アクリル、パステル、ピグメント、箔、和紙、アートクロス   執筆:月刊美術プラス編集部

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日常のやさしさをすくい上げる——mameインタビュー
mame インタビュー オマージュ北斎2

日常のやさしさをすくい上げる——mameインタビュー

日常のやさしさをすくい上げる——mameが描く、余白とにじみの世界 漫画家・イラストレーターとして、生活の中の何気ない一瞬を切り取った一枚絵を描くmame。2023年に作品集『愛してるっていってよね』、24年にはイラストコミック集『東京ひとり暮らし女子のお部屋図鑑』(ともに翔泳社)を刊行し、日常に潜む感情や風景を軽やかにすくい上げてきた。本インタビューでは、その創作の原点から、北斎へのオマージュに込めた視点、水彩による表現の魅力、そしてこれから描いていきたい「やさしさ」のかたちについて話を聞いた。 水彩への憧れが育んだ原風景 ――表現者としての歩みを振り返り、幼少期の環境や原風景、初めて熱中した制作体験について教えてください。 mame 少女漫画の水彩で繊細に描かれたカラーイラストを眺めるのが幼い頃から大好きでした。 ――現在の技法や素材を選択された理由と、その魅力について教えてください。 mame 今回の作品も水彩絵の具を使ったアナログ作品で、幼少期の憧れが自然と滲み出ているのかもしれません。にじみや混色、紙とのなじみから生まれる偶然性など、見ていても描いていても楽しいです。 北斎の余白と表情に重ねる現代性 ――今回の「オマージュ北斎2」ではどの作品をモチーフにし、どのような点に共鳴されましたか。 mame 今回は北斎の《酔余美人図》をモチーフにオマージュ作品を制作しました。酔いが回って物思いにふけっているような表情に惹かれたことに加えて、背景をそぎ落とした余白の取り方など、北斎の構図の美しさに共鳴しました。 ――その要素をどのように現代的に解釈し、画面に取り入れましたか。mame 現代の女性にも重なると感じ、ビールケースや缶チューハイを持たせることで江戸と現代の境目をあえて曖昧にし、同じ画面の中でつながるようにしています。 葛飾北斎「酔余美人図」(氏家浮世絵コレクション)  線とにじみで描くシンプルな表現 ――作品の質感やマチエールを生み出すうえで、どのような考えや試みを重ねてこられましたか。 mame 今回は北斎の肉筆浮世絵と同じく「手描きの線と筆致」という条件で描きたかったので、えんぴつ(主線)と水彩というシンプルな画材にしぼって制作しました。 ――その素材や技法の選択によって、どのような表現効果を目指しましたか。 mame シンプルな画材にすることで、線やにじみそのものの魅力が際立つように意識しています。  自然光の中で集中する制作リズム ――日々の制作リズムやルーティンについて教えてください。 mame 制作は昼前に起きて、昼過ぎから手を動かすことが多いです。 ――現在の制作環境や時間帯は、作品にどのような影響を与えていますか。 mame 絵の具の色味やにじみは昼間の自然光の下が一番見やすいので、なるべくその時間帯に気合い入れて集中して制作しています。 日常のやさしさをすくい上げるまなざし ――これから取り組みたい表現やテーマについて、どのように考えていますか。mame これまでも、日常の中にある小さな思いや出来事を描きたいと思って制作してきました。世界がこんなにも不安定に感じられる今、その気持ちは以前よりもいっそう強くなっています。 ――鑑賞者にとって、作品がどのような存在であってほしいと願っていますか。 mame これからも特別な出来事ではなく、日々の中にあるやさしさを丁寧にすくい上げていきたいです。見てくださる方にとって、ふと気持ちがほどけるような存在になれたら嬉しいです。   「オマージュ北斎2」のmame作品はこちら  ↓画像をクリック↓ mame 酔余のある日図 水彩、アクリル、色鉛筆 執筆:月刊美術プラス編集部

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1000年後へ届く絵を――溝口まりあインタビュー
インタビュー オマージュ北斎2 溝口まりあ

1000年後へ届く絵を――溝口まりあインタビュー

1000年先に残る作品を目標に、日本画の伝統と自身の感性を重ね合わせながら制作を続ける溝口まりあ。幼少期から育まれた絵画への情熱と、伊藤若冲の作品との出会いが進路を決定づけた。本インタビューでは、「オマージュ北斎」出品作に込めた思考や、素材・技法への徹底した探究、さらには制作に向き合う静謐な姿勢までを紐解く。富士山という普遍的なモチーフに託された祈りと、鑑賞者に寄り添う作品観が浮かび上がる。  幼少期から日本画へ——原体験と志のかたち ――画家を志したきっかけを教えてください。 溝口 画家になろうと決めたのは小学4年生の頃です。幼稚園の年少の頃からアトリエ教室に通っていたのですが、毎回スケッチブックを一冊描き切る程、絵を描くのが大好きでした。 ――日本画の道に進むと決めた背景には何があったのでしょうか。 溝口 高校2年生のとき、展覧会で伊藤若冲の『群鶏図(ぐんけいず)』の実物を見る機会がありました。その迫力と色彩の美しさに衝撃を受け、涙が止まらなくなってしまったんです。「私も時代を超えて後世に感動を伝えられる作品を描きたい」と強く思い、日本画を専攻しました。 ――作品制作における目標について教えてください。 溝口 目標は1000年先に残る作品を制作することです。後世の人々を見守り、共に生きていく相棒となる作品を届けたいと考えています。また、技法や高品質な素材にもこだわり、物理的にも1000年もつ絵を目指しています。 北斎へのオマージュ——「凱風快晴」を描き続ける理由 ――「オマージュ北斎」への参加は今回で2回目とのことですが、どのような思いで臨まれましたか。 溝口 1回目の時に描いた「冨嶽三十六景 凱風快晴」のオマージュ作品をさらに追求したいと思い、思い切って3点とも同作のオマージュにしました。 ――なぜ「凱風快晴」をモチーフに選ばれたのでしょうか。 溝口 一つの版で同じ構図ながら全く異なる表情の富士山を表現している点に強く惹かれました。ダイナミックで柔軟な「赤富士」と藍摺版の「青富士」、その両方に感銘を受けたことが理由です。 ――制作にあたってどのようなリサーチを行いましたか。 溝口 江戸時代から現代まで富士山の姿は変わっていません。葛飾北斎が現代に生きていたらどのような表情の富士山を描いただろうかと想像を膨らませました。「すみだ北斎美術館」で実物の浮世絵を取材し、さらに本物の富士山を毎日観察しながら制作を進めました。 北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴」(赤富士) 北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴(藍摺版)」 素材と技法——偶然性を生かした表現 ――作品に用いる素材について教えてください。 溝口 葛飾北斎が生きていた頃に浮世絵に使われていた画材を調べ、実際に画材店を巡って素材を集めました。プルシャンブルーや紅花などを使用しています。 ――普段の制作技法と今回の作品との関係はどのようなものですか。 溝口 普段は和紙を揉み紙にし、墨のたらし込みなどの技法で猫を描いています。今回もその技法をそのまま用い、自然の滲みを薄く何層にも重ねて描きました。 ――表現において大切にしていることは何でしょうか。 溝口 自然の滲みを生かし、偶然性の中で生まれる美しさを作品に閉じ込めることです。 制作環境と集中——無音の中で向き合う一瞬 ――制作時の環境について教えてください。 溝口 作品を制作する時は基本的に無音の環境で描いています。 ――その理由や制作時の心構えについてお聞かせください。 溝口 作品に込める思いは一つと決めています。耳や目から入る情報が作品に影響しないようにし、全力で集中して一瞬一瞬を大切に制作しています。 ――印象的な制作の時間はありますか。 溝口 雨の日は雨音が楽しいので、制作する時間として楽しみにしています。 旅と祈り——これからの挑戦と作品に込める願い ――今後挑戦したいことについて教えてください。 溝口 まだ訪れたことのない国を旅しながら作品制作をしたいです。これまでアメリカのグランドキャニオン、イタリア、ウズベキスタン、タイ、トルコなどに取材に行き、多くの作品を制作してきました。現地で体験し、感動という名の砂金を集め、それを作品として表現しています。 ――作品を手にする鑑賞者にとって、どのような存在であってほしいと願っていますか。 溝口 普段は黒猫を中心に描いています。黒猫は魔を祓い、幸運を招く存在であり、凛として自由な姿に人は惹かれます。今回は富士山を描きましたが、その芯は同じだと感じました。 ――富士山というモチーフに込めた意味を教えてください。 溝口 凛として美しい富士山は、人々を惹きつけ続けています。古くから信仰の対象であり、末広がりの形から繁栄や不死といった縁起の良い象徴でもあります。私の作品が、人生の相棒や家族、守り神のような存在になることを願って描いています。   「オマージュ北斎2」の溝口まりあ作品はこちら  ↓画像をクリック↓ 溝口まりあ 「凱風快晴」−春− 日本画・岩絵具・顔料、和紙   溝口まりあ 「凱風快晴」−夏− 日本画・岩絵具・顔料、和紙   溝口まりあ 「凱風快晴」−冬− 日本画・岩絵具・顔料、和紙     執筆:月刊美術プラス編集部

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北斎への共鳴と、現代に息づく「ずれ」の美学――原田ちあきインタビュー
イベント インタビュー オマージュ北斎2 原田ちあき

北斎への共鳴と、現代に息づく「ずれ」の美学――原田ちあきインタビュー

幼少期に絵を描くことを制限されながらも、インターネット黎明期の体験を原点に創作を続けてきた原田ちあき。デジタルイラストへと移行し、線を削ぎ落とすことで到達した現在の画風には、葛飾北斎への強い共鳴がある。子育てと制作を両立する日常の中で育まれた感覚や、大阪という土地の空気感もまた作品に影響を与えている。多様な表現を横断しながら、鑑賞者に寄り添う作品を目指すその現在地を聞いた。 創造の原点とデジタル表現への歩み ――幼少期の環境や、創作の原点となった体験について教えてください。 原田 幼少期、母親からイラストを描くことを強く反対されていました。しかし漫画的な表現や絵を描きたいという気持ちはかなり強く、小学生低学年の頃に父親に与えてもらったPCでイラストを描くということを覚えました。母は機械に疎く、私がPCで何をしているかわかっていなかったようです。 ――その後、どのようにして現在の画風につながっていったのでしょうか。また、技法や素材の選択理由についてもお聞かせください。 原田 当時はインターネットの黎明期で、ペイントで絵を描いては友達にメールで送ってみたり、お絵描き掲示板というBBSでマウスを使ってイラストをちまちま描いては投稿するという事を繰り返していました。あの時期がなければ絵を描いていなかったかなと思います。現在の技法に至った経緯は純粋にイラストを描くうえで効率がよく、私の絵にあっていると感じたからです。 北斎との邂逅──少ない線に宿る圧倒的表現力 ――今回の「オマージュ北斎2」では、どのような点に惹かれ、作品のモチーフを選ばれたのでしょうか。 原田 俗にいう北斎漫画と呼ばれるシリーズがかねてより気になっており、是非自分の絵柄でも表現してみたいと思い、今回の作品のチョイスに至りました。 北斎漫画「百面相」十編 ――北斎の表現から受けた影響や、ご自身の制作過程との関係について教えてください。 原田 私はもともとアクリル絵の具で大きなキャンバスに絵を描いていたのがスタートなのですが、そこからインターネットに活動拠点を移す際、デジタルイラストに切り替え、より漫画的な表現を模索するようになりました。線を減らすというのはとても勇気のいる行為で、今の自分のスタイルにたどり着くまでにかなりの歳月をかけました。そういう経緯もあり、北斎の少ない線で必要な情報を全て表現する圧倒的な画力に魅力を感じています。 「ずれ」が生む魅力──印刷文化からの影響 ――作品の質感や表現に影響を与えているものについて教えてください。 原田 古い印刷物がとても好きで、特に昭和初期~中期あたりのめんこや雑誌に見られる版のズレがとても大好きなんです。 ――その「ずれ」の魅力を、ご自身の作品にどのように取り入れていますか。 原田 未完成だけど味があって、ずれていることによって完成している。自分の作品にもそのような見ごたえを持たせたいと思っています。 制約の中で加速する制作──日常と創作の関係 ――現在の制作環境や日常の中での制作スタイルについて教えてください。 原田 現在3年程子供を自宅保育しており、子供が寝たわずかな時間にイラストやコラム、漫画を執筆させていただいています。 ――そのような環境や、育った土地は作品にどのような影響を与えていますか。 原田 元々はじっくりゆっくり制作する方だったのですが、時間が限られている方がシャキシャキと色々こなせるようになった気がしています。また、私は産まれてからずっと大阪で過ごしており、大阪の持つビカビカとした空気や街の色は私の作品にかなり影響を与えていると思います。 「遊園地」のように楽しさや共感を広めたい ――現在取り組まれている多様な表現について、それぞれの役割をどのように捉えていますか。 原田 前述した通り私はコラムやイラスト、漫画、絵画といろんなジャンルの事に挑戦させていただいています。イラストは寂しい気持ちや悲しい気持ちになった時に、コラムは眠れない夜のお供になれば、漫画は少しの息抜きに笑ってほしくてと、それぞれ別の軸で動かしています。 ――今後の展望と、鑑賞者に向けたメッセージをお聞かせください。 原田 絵を人に見せたいと展示発表を行った当初、私は遊園地のような人間でありたいと思っていました。これからも自分にできる事を拡張し続けて、多くの人たちにいろんな楽しさや共感を広めていきたいと思っています。   「オマージュ北斎2」の原田ちあき作品はこちら  ↓画像をクリック↓ 原田ちあき 北斎漫画 デジタルプリント ed.10 執筆:月刊美術プラス編集部

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