溝口まりあ《富士越猫図（ふじこしびょうず）》

サイズ　6F（41×31.8cm）
素材　日本画
額付
2024年制作

【日本画家・溝口まりあが「富士越龍図」をオマージュ】
　「富士越龍図」作品を見た時、『まだまだ自分は天へ上り詰めて行きたい、絵を描き続けたい』という葛飾北斎の熱意と、龍の視線に物悲しさを少し感じました。

　日本一の山を越えて尚、手の指を開き切り、全力で空を掻いて登る龍。もっともっと上へ登りたかったのだろうと思いました。葛飾北斎にとっての「上昇」へのイメージが「龍」だと感じました。
　葛飾北斎の「龍」と私の「猫」の概念は同じなのだろうと感じ、この作品を描くことを決めました。

【上昇の思いを込めて!!】
　力強く先へ突き進んでいき、未来を継いでいくという上昇の思いを込めて制作しました。

【「猫一匹」を描く北斎の気概に身が引き締まる思い】
　80歳を過ぎた頃に「自分は猫一匹も満足に描く事ができない」と嘆いていたという北斎のエピソードを知り、猫を中心に作品を描いている者として、身の引き締まる思いになりました。
　堂々としていて生意気そうに天を睨む猫、是非自己投影をして楽しんでいただきたいと思います。（溝口）

Maria MIZOGUCHI
1992年東京都生まれ。
2015年女子美術大学美術学科日本画専攻卒業。
2016年三菱商事アート・ゲート・プログラム奨学生採択。
2017年女子美術大学 大学院博士前期課程日本画研究領域修了。
全国の百貨店で個展開催。

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