若佐慎一《富嶽三十六景 山下白雨様》
¥264,000 税込
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【現代アーティスト・若佐慎一が「富嶽三十六景 山下白雨」をオマージュ】
北斎の肉筆画ではなく木版画に焦点をあてました。
なかでも「富嶽三十六景」シリーズと「百物語」は、私自身がこれまで一貫して取り組んできたテーマである日本的アニミズムと、日本に伝わるこの世ならざる存在をテーマにした作品と共通していると考えます。
【北斎の理知的な表現と版へのときめきとのコントラストを体感して欲しい!!】
木版画は版にインクなどをのせて紙に転写するものですが、作品は転写された紙であり、板の方は作品にはなりません。しかし小学校の授業で木版画をつくった時に、私は印刷された完成品より、彫られた板の方に美を感じていました。あの時のときめいていた感情と、北斎の理知的な表現とのギャップをどう接続するかを苦労しました。
作品は3cmの厚みがあり、板を削って表情をつけています。一削りする度に、その存在にリアリティを感じて表現しました。もっと言うと、そこに生きる意味を感じていたかもしれません。北斎の理知的な作品の構成と、私の彫りが生み出す情緒的な表情とのコントラストを体感頂けたら嬉しいです。
【戦後のサブカルチャーと自然に根ざした価値観を探求するー若佐慎一の制作観】
私は幼少時から、漫画、ゲーム、アニメといった戦後に生まれたサブカルチャーを通じて、美的センスだけでなく、人間関係、歴史、文化を学び、その影響を深く受けてきました。敗戦国としての日本の悲哀を背景に生まれたこれらのサブカルチャーは、私の価値観や感性を形成する中心的な存在でした。
その一方で、アーティストとしてのキャリアにおいては、国土の約7割が森林に覆われた日本の独特な自然環境と、自然に根ざした価値観や生き方に焦点を当てて制作しています。
人間と自然という2つのものの関係を探求した制作を続けています。
【北斎の創作意欲から受けた大きな刺激】
北斎は生涯で3万4千点の作品を生み出したとされていて、且つ、年齢を重ねれば重ねるほどに良い作品が生み出せるようになると考えていたと言われています。私自身も、北斎ほどではありませんが多作だと思っています。経験を積み重ねた先の自分の到達できるであろう世界に対して明るい思いがあります。
今回はできるだけ北斎の元の作品の形を崩さずに、制作しようと努めました。
改めて認識したのは、北斎の絵画的な構成の確かさ。普段の作品制作では「こうしたい」という思いが強すぎて視野が狭くなってしまいがちですが、今回は北斎の作品構成に従うことで、そうならない制作方法を実感できたように思います。北斎という他のアーティストの型を自分に落とし込むことで、新たな型を得ることができました。(若佐)
Shinichi WAKASA
1982年広島生まれ。
2008年広島市立大学芸術学部美術学科日本画専攻卒業。広島市立大学芸術学部卒業制作買い上げ。
2010年広島市立大学大学院博士前期課程修了。
2013年広島市立大学大学院博士後期課程満期退学。月刊美術 美術新人賞「デビュー」 準グランプリ。
HP https://www.shinichiwakasa.com
instagram https://www.instagram.com/shinichiwakasa/
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