原田ちあき《蛸と乙女》

サイズ　A4（21×29.7cm）
素材　ジークレープリント
額付
2024年制作

【漫画家・原田ちあきが『蛸と海女』をオマージュ】
　私がオマージュするにあたって一番似合いそうなのが春画の『蛸と海女』だなと思いました。春画って真剣に見てもいいし、笑ってみてもいいものだと思うので、私の作品にも通じるものがあるんじゃないかなと思っています。
　この作品《蛸と乙女》は、北斎のオマージュだとわかってもらえるラインに落とし込みたいなと思いながら描きました。あとは私のイラストを知ってくださっている方には意外に思われるかもしれないのですが、私はあまりエロやグロを直接的に描かないように意識しているんです。春画のオマージュではありますが、春画っぽくならないように工夫しました。
　そのために、海女を戦う魔法少女に置き換えています。もともと私の描くイラストはコミックアート寄りなので、よりコミックらしい表現をちりばめています。じっくり見て楽しんでいただけますと幸いです！

【心が軽くなるような絵を描きたい!!　ー原田ちあきの制作観】
　普段は泣いている女の子をよく描きます。テーマは一貫していて、誰もが心の中で思っている事、でも人には言わない事、言えない事を表現しています。
　人の悩みって人の数だけあると思うのですが、一人でも「こう考えているのは自分だけじゃないんだ」と心が軽くなるような絵を描きたいなと考えています。

【連作も期待させる北斎との化学反応】
　過去に何枚も北斎のパロディイラストを描いたことがあります。漫画的表現もあり、写実的でもあり、見て、真似をすればするほど本当に素晴らしい絵を描く方だなあと感動します。
「翁死に臨み、大息し天我をして十年の命を長ふせしめはといひ、暫くして更に謂て曰く、天我をして五年の命を保たしめは、真正の画工となるを得へしと、言吃りて死す（天があと10年、いや、あと5年の命をくれたなら、本物の絵師になれる」という言葉を残されている通り、本当に絵を愛していた方なんだろうなと感じます。
　今回は制作したのは１点だけですが、北斎をオマージュした連作を制作したいと思いました。恐れ多いですが、自分の絵と組み合わさった時の化学反応が面白かったからです。（原田）

Chiaki HARADA
イラストレーター・漫画化・コラムニスト 京都芸術大学イラストレーション科非常勤講師 ドロドロカラフル、人間のマイナスな気持ちに焦点を当てた作品を得意としている。 画業のほかに、映画テレビラジオへの出演や、コラボカフェ、アパレルコラボ バンドへのフィーチャリングなど、国内外、ジャンル問わずに幅広く活動。面白いことは何でもやってみたい。大阪在住。
【代表的なコラボレーション 】
ダウンタウン/SHISHAMO/ゲスの極み乙女/ウルフルズ/sukekiyo 北斗の拳/タツノコプロ/チェンソーマン等
【著書】
『誰にも見つからずに泣いてる君は優しい』『私はかわいい、絶対かわいい。』『手から毒がでるねこのはなし』など

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