初めての絵画購入〜どう選ぶ、どこで買う?〜
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「いつか、自分の家に素敵な絵を飾ってみたい」
そう思ったことはありませんか? 一枚の絵画は、日常の空間を特別なものに変え、私たちの心に彩りと豊かさをもたらしてくれます。しかし、いざ「絵を買う」となると、「どうやって選べばいいの?」「高価なものだから失敗したくない」「専門的な知識がないと難しいのでは?」といった不安が先に立ってしまうのではないでしょうか。
この記事は、そんな「初めて絵画を購入する」あなたのためのガイドです。アートは一部の専門家や趣味人だけのものではありません。誰もが気軽に楽しめるものですし、自分の「好き」という気持ちを大切にしながら暮らしに取り入れることができるものです。
どうやって選び、どこで買えばいいのか。価格や種類や画家のこと。そして、気になっている人も多くいるリセールバリュー(再販価値)について。一つひとつの疑問に丁寧にお答えしながら、あなただけの一枚を選べるようにサポートします。
見出し
1.結論、直感で選んでいい!アート購入の第一歩は「心惹かれる」気持ちから
2.購入前に押さえておきたい5つのチェックポイント
- ポイント1:予算を決める~無理なく始めるアートのある暮らし
- ポイント2:飾る場所とサイズをイメージする
- ポイント3:絵画の種類を知る~何で描かれている?
- ポイント4:価格帯による違い~何が価値を決めるのか?
- ポイント5:アーティストについて知る~作品の背景に触れる
3.リセールバリューは考えるべき?~投資か、楽しみか
4.どこで買う?~ギャラリーからオンラインサイトまで
- 実物を見て選ぶメリット・デメリット
- オンラインサイトで購入する際の注意点
- 信頼できるサイトの見分け方と「月刊美術プラス」の安心な理由
4.まとめ:自分を信じて、アートとの出会いを楽しもう
1. 結論、直感で選んでいい!アート購入の第一歩は「心惹かれる」気持ちから
絵画購入で最もよく聞かれる質問の一つが、「直感で買ってしまっていいのでしょうか?」というものです。私たち月刊美術プラス編集部の答えは、明確に「YES」です。特に、初めての一枚であればなおさら、ご自身の「好き」「素敵」「見ていて心地よい」という直感を何よりも大切にしてください。
アート作品は、毎日あなたのそばで寄り添ってくれるパートナーのような存在です。理論や知識、他人の評価も一つの参考にはなりますが、最終的にその絵と日々を共にするのはあなた自身。朝起きたとき、仕事から帰ってきたとき、ふと目を向けた先に心惹かれる絵がある。その瞬間の喜びこそが、アートを暮らしに取り入れる最大の価値です。
有名な画家の作品でなくても、評論家のお墨付きがなくても、あなたの心が「これだ」と感じたなら、それがあなたにとって最高の作品です。まずは頭で考えすぎず、たくさんの作品を見て、心が動く一枚を探すことから始めてみましょう。
2. 購入前に押さえておきたい5つのチェックポイント
直感を大切にしつつも、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、いくつかのポイントを事前に確認しておくと、より満足度の高い選択ができます。
ポイント1:予算を決める~無理なく始めるアートのある暮らし
まずは、今回の絵画購入にかけられる予算を決めましょう。アート作品の価格は、数万円で手に入る若手作家の小品から、数百万円、数千万円以上するものまで様々です。
初めての場合は、無理のない範囲で「このくらいまでなら」という上限を設定することをおすすめします。予算を決めることで、選択肢が絞られ、より現実的に作品を探しやすくなります。分割払い(ローン)に対応しているギャラリーやECサイトも増えているため、そうしたサービスを利用するのも一つの方法ですが、あくまでも無理のない範囲が基本です。
ポイント2:飾る場所とサイズをイメージする
次に、購入した絵を「どこに飾りたいか」を具体的にイメージしてみましょう。リビングのソファの上、玄関の壁、寝室のベッドサイド、書斎のデスク周りなど、候補となる場所の壁の大きさを測っておくとスムーズです。
- 大きな作品(長辺90cm以上など。当サイトではXL、XXLと表示): 空間の主役となり、部屋全体の印象を決定づけます。広い壁面に飾ると、その作品の世界観に浸ることができ、ダイナミックな空間を演出できます。
- 中くらいの作品(長辺30~90cm程度。当サイトではMと表示): 最も飾りやすく、人気のあるサイズです。家具とのバランスも取りやすく、複数の作品を組み合わせて飾る楽しみもあります。
- 小さな作品(長辺30cm未満。当サイトではSと表示): 玄関や廊下、書斎の棚の上など、ちょっとしたスペースにも気軽に飾れます。複数枚を並べてギャラリーウォールのようにしたり、季節ごとに入れ替えて楽しむのにも向いています。
サイズ感で迷ったら、マスキングテープなどで壁に絵の大きさを再現してみるのがおすすめです。実際の空間でシミュレーションすることで、圧迫感がないか、空間に対して小さすぎないかなどを確認できます。
ポイント3:絵画の種類を知る~何で描かれている?
絵画と一口に言っても、使われる画材によって雰囲気や価格、保存方法が異なります。代表的な種類を知っておくと、作品選びの幅が広がります。
- 油彩画(Oil Painting): 絵の具の乾きが遅く、重厚で深みのある色彩と、絵の具の盛り上がり(マチエール)が特徴です。存在感があり、本格的な絵画のイメージを持つ方も多いでしょう。
- アクリル画(Acrylic Painting): 発色が鮮やかで、乾きが早いのが特徴。ポップな表現から重厚な表現まで幅広く、現代アートの分野で多く用いられています。
- 水彩画(Watercolor Painting): 透明感のある、みずみずしく柔らかな表現が魅力です。光を透過する美しい色彩は、多くの人を惹きつけます。湿気や直射日光に弱いため、額装でしっかり保護することが大切です。
- 日本画(Japanese Painting): 岩絵具や墨、和紙、絹といった日本の伝統的な画材を用いて描かれます。独特の質感と、落ち着いた品のある風合いが特徴です。
- 版画(Prints): 作家が制作した版をもとに、複数枚刷られる作品(リトグラフ、シルクスクリーンなど)。同じ作品が複数存在するため、有名作家の作品でも油彩などの一点物(ユニークピース)に比べて手頃な価格で手に入りやすいのが魅力です。エディション(限定部数)と作家のサインが入っているのが一般的です。
ポイント4:価格帯による違い~何が価値を決めるのか?
絵画の価格は、様々な要素が絡み合って決まります。価格帯によってどのような作品が手に入るのか、目安を知っておきましょう。
- ~10万円: 若手・新進アーティストの小品、版画作品などが中心。将来性のあるアーティストを応援する意味で購入する楽しみもあります。才能ある作家の作品がこの価格帯で見つかることも多く、宝探しのような感覚で選べます。
- 10万円~50万円: 中堅アーティストの作品や、人気若手アーティストの代表的な作品が視野に入ってきます。選択肢が大きく広がり、本格的なアートコレクションの第一歩となる価格帯です。
- 50万円以上: 著名なアーティストの作品や、サイズの大きな作品などが中心となります。画廊や百貨店などで企画展が組まれるような、評価の定まったアーティストの作品が多くなります。
価格を決める主な要素:
- 作家の評価・知名度: 最も大きな要素です。画廊での個展歴、美術館への収蔵歴、受賞歴などが評価の指標となります。
- 作品のサイズ: 基本的に、大きい作品ほど高価になります。
- 制作年代や希少性: 作家の全盛期に描かれた作品や、現存数の少ない作品は価値が高くなる傾向があります。
- 画材や技法: 制作に手間や時間がかかる技法で描かれた作品は、価格に反映されます。
ポイント5:アーティストについて知る~作品の背景に触れる
もし心惹かれる作品が見つかったら、その絵を描いたアーティストについて調べてみることをお勧めします。アーティストがどのような想いでその作品を制作したのか、どのような経歴を歩んできたのかを知ることで、作品への理解と愛着が何倍にも深まります。
調べ方:
- ギャラリーやECサイトの作家紹介ページ: プロフィールや作品解説、アーティスト・ステートメント(作家自身の言葉による制作の意図や目的)が掲載されています。
- アーティスト個人のウェブサイトやSNS: Instagramなどで制作過程や他の作品、日々のインスピレーションなどを発信している作家も多くいます。人柄に触れることで、より深く作品の魅力に触れられます。
- 展覧会の図録や美術雑誌: 過去の活動を知る上で参考になります。
詳しくなくても全く問題ありません。「この色使いが好き」「このテーマに惹かれる」といった入口から、少しだけ背景を覗いてみる。それだけで、アートとの対話がより豊かなものになるはずです。

3. リセールバリューは考えるべき?~投資か、楽しみか
アート作品は資産としての側面も持っており、「将来価値が上がるか?」というリセールバリューを気にする方も少なくありません。もちろん、購入した作品の価値が将来的に上がることは嬉しいことです。しかし、特に初めての購入においては、リセールバリューを最優先に考えることはあまりお勧めしません。
なぜなら、アートマーケットの未来を正確に予測することは専門家でも非常に難しいからです。価値が上がることを期待して、興味のない作品を購入し、毎日眺めるのは果たして幸せでしょうか。
まずは、純粋にあなたの心が満たされるか、毎日の暮らしを豊かにしてくれるか、という視点を大切にしてください。自分が本当に愛せる作品を選べば、たとえ将来的な価値が上がらなかったとしても、購入したことへの満足感は決して揺らぎません。その作品がもたらしてくれる日々の喜びは、何物にも代えがたい価値となるはずです。
もし、リセールバリューも意識したいのであれば、「将来性が期待される若手作家」や「すでに評価の定まっている中堅・人気作家」の作品を選ぶのが一つの方法です。しかし、その場合でも必ず「自分自身がその作品を好きかどうか」を最終的な判断基準にすることをお勧めします。
結論として、アートを楽しむ気持ちを第一に。その上で、もし選んだ作品に資産価値がついてきたらラッキー、くらいの心持ちでいるのが、アートと最も幸せな付き合い方と言えるでしょう。
4. どこで買う?~ギャラリーからオンラインサイトまで
作品を購入できる場所は、主に画廊(ギャラリー)、百貨店の美術画廊、アートフェア、そしてオンラインのECサイトなどがあります。
実物を見て選ぶメリット・デメリット
メリット:
- 作品の持つ色彩、質感、サイズ感を直接確認できる。
- ギャラリスト(画廊のスタッフ)から作家や作品について詳しい話を聞ける。
- 空間に飾った際の光の当たり方による見え方の違いなども感じ取れる。
デメリット:
- 画廊に入るのに勇気がいる、敷居が高いと感じることがある。
- 強引に買わされるのではないかとの不安がある
- 訪れる時間や場所が限られる。
オンラインサイトで購入する際の注意点
近年、アート作品を専門に扱うECサイトが急増し、時間や場所を選ばずに気軽にアートを探せるようになりました。
メリット:
- 多くの作品を自宅でゆっくり比較検討できる。
- 価格が明示されており、予算に合わせて検索しやすい。
- 若手から著名作家まで、幅広いアーティストの作品に出会える。
デメリット:
- 実物の色味や質感が、モニターで見た印象と若干異なる場合がある。
- 信頼できないサイトで購入してしまうリスクがある。
信頼できるサイトの見分け方と「月刊美術プラス」の安心な理由
安心してオンラインでアートを購入するためには、サイト選びが非常に重要です。以下の点をチェックしましょう。
- 運営会社の情報が明記されているか?
- 作品について詳細な情報が記載されているか?
- 返品や交換に関するポリシーが明確か?
- 問い合わせ窓口が設置されているか?
その点、私たち「月刊美術プラス」は、長年にわたり美術界の動向を伝えてきた美術雑誌「月刊美術」が母体となって運営しており、アートの専門知識と信頼を基盤としています。
- 厳選されたアーティストと作品: 私たちが自信を持ってお勧めできる、質の高い作品のみを掲載しています。
- 詳細な作品情報: サイズや技法はもちろん、作品の背景やアーティストのプロフィールまで、安心してご判断いただける情報を提供しています。
- 安全な決済システムと丁寧な梱包・配送: 大切な作品を、万全の状態でお客様のお手元までお届けします。
「月刊美術プラス」ならば、初めての絵画購入、初めてのオンライン購入の方でも安心して最初の一歩を踏み出すことができます。たくさんの作品を眺めながら、あなたの直感がどの作品に反応するか、ぜひ試してみてください。

5. まとめ:自分を信じて、アートとの出会いを楽しもう
絵画購入は、決して難しいものではありません。大切なのは、専門知識よりも、あなた自身の「好き」という気持ちです。
- まずは直感を信じること。
- 予算や飾る場所をイメージして、現実的な選択肢を絞る。
- 作品の背景にある物語を知り、愛着を深める。
- リセールバリューは気にしすぎず、日々の楽しみを優先する。
- 信頼できる場所で購入する。
これらのステップを踏めば、きっとあなただけの特別な一枚に出会えるはずです。一枚の絵が、あなたのこれからの人生をより豊かに彩ってくれることをお祈りします!
執筆:月刊美術プラス編集部